TOPICS

お役立ち情報

許認可申請

【福岡市の旅館業営業】管理事務所の役割とフロント設置の代替案

はじめに 

ハードルの高いフロント設置要件
福岡市でホテルや簡易宿所を営業するためには、旅館業法に基づいた許可が必要ですが、特にフロントの設置義務は大きなハードルとなります。
しかし、フロントの代替案として管理事務所を活用することで、運営の柔軟性を高めることが可能です。

本記事では、福岡市の旅館業許可における管理事務所の活用方法や、フロントの設置に関する代替案について詳しく解説します。

旅館業法におけるフロント設置義務

旅館業法では、宿泊者の本人確認や鍵の受け渡しなどを適切に行うため、フロントの設置が求められます。
常駐スタッフがいるフロントの設置が原則となっています。

しかし、小規模な宿泊施設では、常時スタッフを配置することがコスト面で難しい場合が多いです。

そのため、代替措置として「管理事務所」を活用する方法が注目されています。

管理事務所の役割とは?

管理事務所とは、フロントを代替するもので宿泊施設とは別の場所に設置された、運営管理拠点を指します。福岡市においても、一定の条件を満たせば、フロントの代わりに管理事務所方式で運営することが可能です。管理事務所が担う主な役割は以下のとおりです。

  • 宿泊者の本人確認
    対面で行う他、ビデオ通話などを活用し非対面での確認も可能(要件を満たせばAI顔認証も可能)。
  • 宿泊者名簿の正確な記載・管理
  • 鍵の受け渡し
    管理事務所でスタッフが鍵を直接ゲストに渡す以外に、スマートロックの導入や、キーボックスの利用によってスムーズな鍵の受け渡しを実現可能。
  • 宿泊者及び周辺へのサポート
    緊急時の対応や周辺住民への対応、宿泊施設への駆け付け等。
  • ホテルに出入りする者の確認
    ビデオカメラの映像を確認。

福岡市で認められる管理事務所の条件

福岡市で旅館業営業許可申請を行う際、管理事務所を活用するためには以下の条件を満たす必要があります。

管理事務所の所在地

宿泊施設に概ね10分以内で駆け付けができること。

(手段別の参考距離)

  • 徒歩 800メートル以内
  • 自転車 1.8キロメートル以内
  • バイク・車 2.5キロメートル以内 

管理体制

  • 宿泊者の緊急時に備え、24時間対応できる体制を整えていること
  • 通話機器の設置を行い宿泊施設と連絡体制が確立されていること
  • 周辺住民への苦情などの対応を行うこと

宿泊者の本人確認の実施

  • 管理事務所での対面確認、または宿泊施設に設置のタブレット等を利用してオンラインでの身分証明書チェックが可能であること
  • チェックイン時の記録を宿泊者名簿に記入し、適切に保管すること

フロント設置の代替案としての管理事務所の活用例

オンラインチェックインの導入

オンラインチェックインシステムを活用し、宿泊者が宿泊施設にて非対面で本人確認を完了できる仕組みを整えます。具体的には、

  • 事前に身分証明書のアップロードが可能な仕組みづくり
  • 顔認証技術を活用したシステムの導入による本人確認
  • 暗証番号を利用したスマートロックシステムの導入

これらを組み合わせることで、対面と変わらないフロントレス運営が可能になります。

近隣の管理事務所を活用

自社で管理事務所を設置するのが難しい場合、近隣のホテルや他社の管理事務所等と提携し、管理事務所としての機能を委託する方法もあります。これにより、初期投資を抑えつつ、フロント設置の義務をクリアできます。
ただし、委託先の施設において適切な管理事務所業務が行えることが必要になります。

コンシェルジュサービスの提供

ゲストサービスの向上や収益化のアイデアですが、宿泊者の利便性を向上させるため、管理事務所を拠点としてコンシェルジュサービスを提供するのも一案です。
例えば、

  • 観光案内やレストラン予約の代行
  • タクシーやレンタカーの手配
  • 荷物の一時預かり

などのサービスを提供することで、ゲスト満足度を向上させることができます。

管理事務所を活用する際の注意点

管理事務所を活用することで、フロント設置の負担を軽減できますが、注意すべきポイントもあります。

地元の条例や保健所の指導に従う
管理事務所方式でのチェックインについて、自治体ごとに異なるルールを定めている場合があります。管轄の保健所に事前相談を行い、必要な要件を満たしているか確認することが重要です。

ゲスト対応のクオリティを維持する
無人チェックインを導入する場合でも、ゲストからの問い合わせに迅速に対応できる体制を整えることが求められます。自社のスタッフのみならず、カスタマーサポートを外注する、よくある質問はAIチャットボットを導入するなども考えられます。

セキュリティ対策を強化する
フロントがない分、宿泊者の安全管理はより厳格に行う必要があります。
出入り口の監視カメラの設置、緊急時の対応マニュアルの整備、消防設備の点検や使い方の周知など。

まとめ

福岡市で旅館業許可を取得する際、フロントの設置は大きな課題となりますが、管理事務所を活用することで、運営の柔軟性を高めることが可能です。特に、オンラインチェックインの導入や近隣の管理事務所との連携を活用すれば、コストを抑えつつ適法に運営することができます。

管理事務所を導入する際は、保健所と事前に相談し、適切な管理体制を整えることが重要です。
フロント設置の代替案をうまく活用し、成功する宿泊事業を築いていきましょう。

どんなことでもまずはお気軽にご相談ください。

次の記事へ 一覧へ 前の記事へ