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沖縄県の中心地であり、国際通りや首里城など豊かな観光資源を持つ那覇市。
アフターコロナの旅行需要回復に伴い、那覇市は国内外から多くの観光客を惹きつけています。「所有している空き家を活用したい」「マンションの一室で収益を上げたい」と、民泊ビジネスへの参入を検討されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、結論から申し上げますと、那覇市での民泊開業は、他の自治体と比較しても「ハードルが高い」と言わざるを得ません。
事業を始めるにあたり、国の法律である「住宅宿泊事業法(民泊新法)」の要件を満たすことは当然ですが、那覇市にはさらに、市独自の極めて厳しい上乗せ条例や、複雑な手続きが存在するからです。これを知らずに物件を購入したり、賃貸契約を結んでしまい、「営業許可が下りない」「想定していた営業日数が確保できず赤字になった」という失敗事例も後を絶ちません。
この記事では、民泊ビジネス専門の行政書士としての経験に基づき、那覇市で民泊事業を検討している方々が、計画を具体化する前に必ず知っておくべき、特に難解とされる4つの重要ポイントを徹底解説します。
収益に直結する!那覇市独自の「エリア・日数制限」
まず最初に確認すべきは、「その場所で、年間何日営業できるか」という点です。ここが事業計画の根幹を揺るがす最大のポイントになります。
国のルールと那覇市のルールの違い
住宅宿泊事業法(民泊新法)では、民泊の営業日数は全国一律で「年間180日が上限」と定められています。しかし、那覇市では「市民の静穏な生活環境を守る」という目的のもと、条例によってエリアごとにさらに厳しい日数制限を課しています。
具体的には、住居専用地域などでは、平日の営業が全面的に禁止されているケースがほとんどです。
営業日数のカウント方法
宿泊日数は、「正午から翌日の正午まで」を1日としてカウントします。
例えば、金曜日のチェックインから日曜日のチェックアウトまで滞在した場合、金曜の正午〜土曜の正午(1日)、土曜の正午〜日曜の正午(1日)で、計2日の営業日数として計算されます。
那覇市 民泊営業可能日シミュレーター
用途地域によってこれだけ変わる!年間の営業制限
※タブを切り替えて制限の違いを確認してください
住居専用地域日曜正午〜金曜正午まで営業禁止。主に週末(金・土の宿泊)と連休のみ営業可能です。
日月火水木金土1
×2
×3
×4
×5
×6
○7
○8
×9
×10
×11
×12
×13
○14
○15
×16
×17
×18
×19
×20
○21
○22
×23
×24
×25
×26
×27
○28
○営業可能日× 営業禁止日年間営業可能日数の目安約 110 日
用途地域別・営業可能日数の目安と収益性
| 用途地域 | 営業可能日数の目安 | 特徴・備考 |
| 住居専用地域 (第1・2種低層/中高層) | 年間 約110日 | 原則として、金曜・土曜・祝前日のみ営業可能。 平日の稼働ができないため、ビジネス利用などの需要を取りこぼすリスクが高い。 |
| 学校周辺・文教地区 | 最大 約120日 | 学校がある期間の平日は営業不可。 夏休みや冬休みなどの「学校休業日」は平日も営業可能になる変則的なエリア。 |
| 第1種住居地域 (家主不在型) | 年間 約110日 | 管理者が常駐しないタイプの場合、住居専用地域と同様に週末・連休のみの営業となる制限がかかることが多い。 |
| 商業地域・工業地域など | 上限 180日 | 条例による上乗せ規制なし。 民泊新法の上限である180日までフルに営業可能。 |
※学校周辺・文教地区 住居専用地域又は第 1 種住居地域と重なる場合には、当該地域の制限を適用
※物件の正確な用途地域は、Web上のマップだけでなく、必ず那覇市都市計画課の窓口で最新情報を確認してください。
詳細:那覇市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例についての考え方
【重要】110日で黒字化できますか?
もしあなたの物件が「住居専用地域」にあった場合、営業できるのは年間の3分の1以下、約110日です。家賃、光熱費、Wi-Fi代、清掃代行費、そして集客サイトの手数料を差し引いて、それでも利益が出るでしょうか?
このエリア制限の確認を怠ると、「開業はできたけれど、構造的に赤字が続く」という事態に陥ります。物件選定の段階で、用途地域の確認は最優先事項です。
トラブルの火種を防ぐ「周辺住民への事前周知」
那覇市で民泊を開始するには、保健所への届出を行う前に周辺住民等への事前周知を行うことが義務付けられています。
「チラシをポストに入れておけばいいだろう」と軽く考えない方がいいかもしれません。
これは単なるマナーではなく、保健所への届出時に「事前周知内容記録書(市の定める様式1)」という記録書類の提出が必要となるものでもあるのです。
どこまでやる必要があるのか?
対象となる範囲は、物件の両隣、向かい、裏の家、マンションであれば他の部屋や管理組合など、広範囲に及びます。
基本的には、事業の概要、管理者、緊急連絡先などを記載した書面を持参し、一軒一軒訪問して対面で説明を行うことが推奨されます。不在の場合はポスティングを行いますが、その記録も詳細に残す必要があります。
住民感情への配慮が将来を左右する
那覇市、特に住宅街においては、見知らぬ観光客が出入りすることに不安を感じる住民の方も少なくありません。
「夜中に騒ぐのではないか」「ゴミ出しのルールは守られるのか」といった懸念に対し、誠意を持って説明することが重要です。
- 具体的な説明ポイント:
- 「宿泊者には、ハウスルールとして静粛時間を厳守させます」
- 「ゴミは事業系ゴミとして、責任を持って業者が回収します」
- 「万が一の時は、私(または管理会社)の携帯電話に24時間いつでもご連絡ください」
説明時に苦情や厳しい意見が出た場合は、その内容を記録書に残す必要があります。ここで適当な対応をしたり、反感を買うような態度を取ると、開業後に通報が相次ぎ、営業継続が困難になるケースもあります。
最初の挨拶が最大のトラブル防止策と心得て、清潔感のある服装で、丁寧に回ることをお勧めします。
専門家の協力が不可欠な「安全確保措置」
民泊は、一般的な賃貸住宅とは異なり、「不特定多数の人が宿泊する施設」です。そのため、宿泊者の命を守るための設備基準が厳格に定められています。
届出時には、「事業を営む住宅の安全確保措置に関するチェックリスト」の提出が必要です。このチェックリストには、非常用照明器具の設置状況や、避難経路の確保など、建築基準法や消防法が複雑に絡み合う項目が並びます。
建築士などの確認を推奨
特に注意が必要なのは、このチェックリストには「建築士などが内容を確認し、署名・捺印する欄」が設けられていることです。
つまり、素人の自己判断で「大丈夫だろう」とチェックを入れて提出することはおすすめできません。可能であれば建築士等の有資格者に現地を確認してもらい、法的な基準を満たしているかのお墨付きをもらうのが安心です。
もし基準を満たしていない場合は、非常用照明を増設したりといった改修工事が必要になります。特に面積の大きくなる戸建てやファミリータイプのマンションなどに非常用照明を設置するケースは多く、これには数万円単位の費用がかかることもあるため、予算計画に含めておく必要があります。
意外と見落としがちな消防手続きと膨大な書類
那覇市の保健所へ届出を行う前に、必ずクリアしなければならない最大の難関。それが消防署です。
民泊を行う施設が消防法に合致しているかを証明する「消防法令適合通知書」を取得しなければ、保健所への届出は受け付けてもらえません。
一般住宅として使われていた建物を宿泊施設として使う場合、求められる消防設備のレベルが一気に上がります。
提出書類の複雑さ
申請に必要な添付書類は多岐に渡ります。賃貸マンションの一室で始める場合でも、管理会社や管理組合から建物全体の図面や点検結果を取り寄せる必要があり、これだけでも数週間かかることがあります。
- 主な必要書類(抜粋):
- 消防法令適合通知書交付申請書
- 付近見取図
- 事業所建物の建築図面(求積図・各階平面図):面積だけでなく、消防設備の正確な位置、避難経路などが必要です。
- 収容人員算定表:部屋の面積に応じて、何人まで泊まれるかを計算した表。
- 消防用設備等検査済証の写し
- 消防用設備等点検結果報告書(直近のもの)
立ち入り検査で「不適合」にならないために
書類審査が通ると、いよいよ消防職員による現地への「立入検査」が行われます。ここでは、図面通りに設備が配置されているか、チェックされます。
- 検査のタイミング: 全て揃っている必要はありませんが、ベッド、家電、リネン類、カーテンなどが配置された状態(営業開始直前)で確認してもらうのがベストです。
- 防炎物品の義務: カーテン、じゅうたん、布製のブラインドなどは、全て「防炎ラベル」が付いた防炎物品である必要があります。おしゃれなインテリアでも、ラベルがないと交換を命じられます。
- 設置工事の落とし穴: 追加の設備設置が必要になった場合、業者選定から工事完了まで1〜2ヶ月かかることもザラです。「来月から始めたい」と思っても、消防検査待ちでオープンが遅れるのはよくある話です。

まとめ:那覇市での民泊開業を成功させるために
ここまでお読みいただき、少し「怖い」と感じられたかもしれません。しかし、これらは全て、宿泊者の安全と近隣住民の生活を守り、そして何よりあなた自身の事業を長く安定して続けるために必要なハードルです。
那覇市での民泊開業を成功させるカギは、以下の3点に集約されます。
- 徹底的なリサーチ: エリア規制を理解し、本当に収益が出る物件か冷静に判断すること。
- 誠実なコミュニケーション: 近隣住民への丁寧な説明を行い、味方につけること。
- 余裕のあるスケジュール管理: 建築士や消防署との協議、工事期間を見越して、開業予定日の数ヶ月前から動き出すこと。
面倒な手続きは、プロにお任せください
「用途地域の確認に自信がない」
「図面の作成や消防署とのやり取りが難しそう」
「保健所に相談したがよくわからなかった」
このようにお悩みの方は、ぜひ行政書士法人Luxent(ラクゼント)にご相談ください。
当事務所では、那覇市の複雑な条例に精通した専門スタッフが、物件調査の段階から徹底的にサポートいたします。
単なる書類作成代行だけでなく、消防署との事前協議、非常用照明の設置、近隣住民への説明対応のアドバイスまで、開業までの道のりをワンストップで伴走します。
ご自身で手続きを行い、何度も役所に足を運び、修正を繰り返す時間と労力を、ぜひ「お客様を迎えるための準備」に使ってください。
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