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事例によるケーススタディ

【事例】アルバイト時間の超過で一度は不許可に…再申請で在留期間5年が許可された理由書の組み立て方

投稿日: 更新日:

留学中のアルバイト時間超過で不許可となった後、帰国して再申請し、在留期間5年となった事例。職務の専門性、過去の経緯、再発防止を伝える理由書の構成を紹介します。

最終確認日:2026年10月20日

本記事は、実際に支援した案件をもとに、特定されないよう業種・機関名・地名・数字などを変更・省略して構成しています。許可の結果は個別の事情によるもので、同じ対応で必ず許可されるわけではありません。

「内定を出した留学生が、以前に不許可になっていた」。人事担当者にとっては不安になる状況です。ただし、過去に不許可があったからといって、その後の申請が必ず通らないわけではありません。

この記事では、留学中の資格外活動(アルバイト)の時間超過を理由に一度不許可となった外国人を、帰国後にあらためて採用し、在留期間5年の許可が出た事例をもとに、理由書の組み立て方を解説します。

1. 事例の概要

項目内容
申請人日本の大学の経済学部を卒業した外国人
受入企業精密機器の製造・販売を行うメーカー
一度目の申請卒業後、別の企業の内定で在留資格変更を申請し、不許可
不許可の背景留学中のアルバイトで、資格外活動の上限(週28時間)を超えた期間があった
対応申請人はいったん帰国。その後、新たな内定先であるこの企業を受入機関として、在留資格認定証明書交付申請を行った
職務購買・品質管理、海外事業企画、国際調整
結果「技術・人文知識・国際業務」が許可され、在留期間は5年

2. 一度目の不許可:何が問題だったのか

留学生がアルバイトをするには、資格外活動の許可が必要で、勤務時間は原則として週28時間以内です。学校が定める長期休業期間中は1日8時間以内という取扱いがあります。この上限は、勤務先ごとではなく、すべての勤務先の合計で見られます。

この事例の申請人は、上限があること自体は知っていました。ところが、複数の勤務先で働いていた当時、各勤務先の勤務時間は個別に確認していたものの、週単位で合算して管理する意識が足りませんでした。その結果、一部の期間で上限を超えて働いていたことが、前回の不許可の背景になりました。

人事担当者への教訓

  • 留学生のアルバイトの上限は、勤務先ごとではなく合計で見られる
  • 内定者や留学生をアルバイトとして雇う企業も、他の勤務先の分を含めた勤務時間を確認しておくと安心
  • 過去の在留状況は、技人国の審査でも見られる

3. 再申請の方針:隠さず、正面から説明する

再申請にあたって決めた方針は、次の3つです。

  1. 過去の経緯を隠さず、理由書で自ら説明する。以前の申請内容や不許可理由を確認し、今回の説明と矛盾が生じないようにします。
  2. 原因、反省、再発防止、企業の管理体制まで一貫して示す。「二度としません」だけでなく、なぜ起きたのか、今後どう防ぐのかを具体的に書きます。
  3. 職務の専門性を、具体的に立証する。過去の問題とは別に、今回の就労が技人国に該当することを、業務の内容と割合で示します。

4. 理由書の構成

理由書は、次の6つのパートで構成しました。

  1. 採用の背景(事業の状況と、専門人材が必要な理由)
  2. 申請人の学歴・語学力・専門性
  3. 具体的な職務内容と専門性(業務ごとの割合つき)
  4. 報酬
  5. 過去の在留状況の報告と対応
  6. 採用の決定理由と、将来の育成方針

以下、特に重要なパートを、特定されない形に書き換えた例で紹介します。

(1)採用の背景

事業の実態と、なぜこの人材が必要なのかを最初に示します。

当社は精密機器の製造・販売を行っており、公的機関による海外展開支援事業に採択され、A国をはじめとする新たな市場への展開を進めています。現地政府機関との調整、市場環境の調査・分析、海外事業戦略の立案などを担える専門人材が必要です。

ポイントは、「人手が足りない」ではなく、事業上の必要性と、専門人材でなければならない理由を書くことです。

(2)職務内容:業務ごとの割合と専門性

職務は、業務を3つに分け、割合と内容を具体的に書きました。

業務割合内容のポイント
購買・品質管理約40%国際規格に基づく品質マネジメントのもと、サプライヤーの品質・価格・納期のデータを統計的に分析し、調達戦略とコスト最適化を立案する
海外事業企画・現地法人設立準備約30%現地市場の調査・分析、事業計画・予算計画の策定、現地の制度や法規制の調査
国際調整約30%現地の政府機関や関係機関との調整、会議・協議での交渉支援、専門的な資料の翻訳・通訳

書き方の工夫は3点です。

  • 職務の実態を具体的に示す:たとえば購買業務は、発注や納期管理にとどまらず、データ分析を通じて調達戦略を立てる専門業務であることを書く
  • 大学で学んだ内容と結びつける:経済学、統計学、データ分析など、履修した内容が、どの業務で活きるのかを対応させる
  • 通訳・翻訳の位置づけを明確にする:通訳・翻訳は国際調整を行うための一業務であり、主たる業務は国際調整と海外事業の推進である、と書く

(3)報酬

報酬は、日本人が同じ業務に従事する場合に受ける報酬と同等以上であることを、根拠とともに書きます。学歴、専門性、語学力、担当する業務に照らして適正な額であることを添えます。

(4)過去の在留状況の報告と対応(最重要)

このパートが、今回の理由書の核です。次のような流れで書きました(特定されない形に書き換えています)。

申請人は、前回の申請で不許可となりました。その理由は、留学中の資格外活動において、複数の勤務先の勤務時間を合算して管理しておらず、週28時間の上限を超えた期間があったことにあります。

申請人は、制限の存在は認識していたものの、勤務先ごとに時間を確認するにとどまっており、合算して管理する意識が不十分であったことを認め、深く反省しています。事実を隠したり、偽ったりした事実はありません。申請人は、この結果を受けて、いったん出身国に帰国しています。

当社は、事情を十分に確認したうえで、法令遵守が企業活動の根幹であることを申請人に厳重に指導しました。

今回予定するのは、技術・人文知識・国際業務の在留資格で許可される職務に従事する正社員としての就労です。許可された活動の範囲内で勤務し、担当業務に変更がある場合や副業を行う場合は、必要な手続きや資格外活動許可の要否を確認します。当社は、採用後も就業状況と法令遵守状況を継続的に管理・指導する体制を整えています。

この書き方のポイントは、次の4つです。

  • 事実の認定:何が、なぜ起きたのかを、ごまかさず具体的に書く
  • 反省と再発防止:本人の認識だけでなく、企業側の指導を記載する
  • 今回との違い:正社員という雇用形態だけでなく、許可される活動の範囲と担当業務、変更・副業時の確認方法を説明する
  • 企業の管理体制:採用後の管理・指導の体制を示す

(5)採用の決定理由と育成方針

最後に、過去の経緯を知ったうえで採用を決めた理由と、将来の位置づけを書きます。

当社は、過去の経緯を十分に理解したうえで、申請人の専門知識、語学力、現地の社会・経済に関する知見を総合的に評価し、海外事業に必要不可欠な人材として採用を決定しました。将来的には、現地拠点の責任者候補として育成する予定です。

業務割合はこの事例の説明例です。40%・30%・30%という配分自体が許可の基準となるわけではありません。理由書では、実際の業務内容に即して記載し、契約書・事業資料などとの整合性を確認します。

5. 結果:在留期間5年で許可

この申請は、「技術・人文知識・国際業務」が許可され、在留期間は5年となりました。

在留資格認定証明書の交付は、査証発給や上陸許可とは別の手続きです。本記事では、原稿に記載された最終的な在留期間5年という結果を紹介しています。

個別の許可理由や5年とされた理由を、支援側が断定することはできません。そのうえで、支援した側として重視したポイントは次のとおりです。

  • 職務の専門性を、業務の内容と割合で具体的に説明した
  • 事業の実態と、海外展開に専門人材が必要な理由を裏付けた
  • 過去の問題を隠さず、原因、反省、再発防止、企業の管理体制まで一貫して説明した
  • 報酬が、日本人が同じ業務に従事する場合と同等以上であることを示した

6. 人事担当者が持ち帰りたいポイント

  • 内定者の過去の在留状況を、面接や内定前に確認する:以前の申請の結果や、アルバイトの状況を把握しておく
  • 留学生のアルバイト時間は、合計で管理する:自社でアルバイトとして雇う場合も、他の勤務先を含めた時間を確認する
  • 過去に不許可があっても、まず専門家に相談する:理由を正確に把握し、対応方針を決める
  • 職務は、業務ごとに割合を数字で示す:専門性を具体的に説明できる形にする
  • 通訳・翻訳の位置づけに注意する:主たる業務が何なのかを、はっきり説明できるようにしておく

7. 採用前のチェックリスト

  • □ 内定者の過去の申請歴と、その結果を確認した
  • □ 留学中のアルバイトの状況(合計時間)を本人に確認した
  • □ 職務内容を、業務ごとの割合で説明できる
  • □ 職務が、学んだ専攻と結びついている
  • □ 報酬が、日本人が同じ業務に従事する場合と同等以上である
  • □ 採用後の勤務状況と法令遵守を管理する体制がある

まとめ

過去に不許可があっても、事実を隠さず説明し、原因と再発防止を示し、職務の専門性を具体的に立証することで、許可につながった事例があります。ただし、結果は個別の事情によって変わります。過去に不許可や資格外活動の問題がある内定者を採用する場合は、申請の前に専門家へ相談してください。

出典・参考

※掲載画像はAIで生成したイメージであり、本事例の関係者や実際の場面を示すものではありません。

※本記事は2026年10月20日時点の情報をもとにしています。個別の事情で結論は変わります。申請の際は、出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。

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