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特定技能「宿泊業」分野の受入れで知っておきたい知識
目次
アフターコロナで急激に回復を見せる観光業に宿泊需要。
ホテルや旅館など訪日外国人の宿泊数も増加し、人員の確保が不可欠となってきました。
コロナ渦中に離れたスタッフを確保することができず、経営が困難となる宿もあると聞きます。
そんな宿泊業の人材ニーズ解決の希望でもある特定技能「宿泊」分野について説明します。
宿泊分野特有の基準とは?
特定技能12分野それぞれ業界特有の問題点等を踏まえ、関係省庁が連携して基準を設けています。
宿泊分野については国土交通省(観光庁)を中心に法務省・警察庁・外務省・厚生労働省が関与して運用方針を決めています。
受入れ背景
受入れの背景としては国内の労働力不足が要因です。
訪日外国人旅行者の増加や政府目標(2020年4,000万人、2030年6,000万人)達成のためには、宿泊分野の人材確保が必要であり外国人材の受入れは重要な役目を担っています。
平成30年時点で既に約3万人の人手不足が生じているものと推定。訪日外国人旅行者の増加等に伴いR5年度までに全国で10万人程度の人手不足が生じると見込まれていました。
このような背景から本制度が検討されました。
受け入れ予定数
当初令和5年までに最大22,000人の受入れを見込みこれを5年間の受け入れの上限として運用していました。
その後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による経済情勢の変化にて、令和5年度末までは1号特定技能外国人の受入れ見込数を最大11,200 人にすることで修正されました。
今後は宿泊業の復活に伴い拡大する可能性もあると思います。
外国人が従事可能な業務内容
宿泊分野で従事可能な業務内容は「宿泊施設におけるフロント業務、企画・広報、接客、レストランサービス等」の宿泊サービスの提供に係る業務が中心になります。
どの業務もバランスよく配置する必要があり、繁忙期など一定期間のみの場合を除き、偏った業務だけにならないように注意する必要があります。
いずれの場合も当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(例:館内販売、館内備品の点検・交換等)に付随的に従事することは可能です。
2号特定技能外国人の場合は複数の従業員を指導しながら上記業務を行います。
宿泊分野で働くために必要な技能水準とは?
試験ルート
日本での技能実習の経験がない方はこちらのルートが該当します。
試験ルートの場合は「宿泊分野特定技能1号評価試験」にて技能水準を「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」にて日本語能力水準を確認します。
両方の試験に合格する必要があります。
執筆時点での宿泊分野の1号評価試験の開催国はインドネシア、フィリピン、ネパール、インドになっています。
2号特定技能外国人については 「宿泊分野特定技能2号評価試験」及び宿泊施設において複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務に2年以上従事した実務経験が必要となります。
技能実習生卒業ルート
「宿泊職種、接客・衛生管理作業」の第2号技能実習を良好に修了した外国人の場合、1号特定技能外国人が従事する業務において要する技能と、フロント、接客、レストランサービス業務を実施することができるという点で関連性が認められることから、上記試験ルートの試験が免除されます。
つまりすべての試験が免除されるのは「宿泊職種、接客・衛生管理作業」を2号まで終えた実習生の方のみになります。
それ以外の職種・作業で2号を修了した実習生の方は、日本語水準試験のみが免除されます。
申請時の確認書類
特定技能1号
試験合格者の場合
・宿泊分野特定技能1号評価試験の合格証明書の写し
・日本語能力を証するものとして次のいずれか
国際交流基金日本語基礎テストの合格証明書の写し、日本語能力試験(N4以上)の合格証明書の写し
技能実習2号修了者の場合
技能実習2号修了時の技能実習評価試験に合格している場合
・宿泊技能実習評価試験(専門級)の合格証明書の写し
技能実習2号修了時の技能実習評価試験に合格していない場合
・技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号)
特定技能2号
・宿泊分野特定技能2号評価試験の合格証明書の写し
雇用企業側の基準とは?(特定技能雇用契約の適正な履行の確保に係る基準)★告示基準
旅館・ホテル営業許可
雇用主である特定技能所属機関は旅館・ホテル営業の許可を受けて旅館業を営んでおり、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(いわゆるラブホテル等)に該当しないものでなければなりません。(風営法に規定する接待は禁止)
ちなみに旅館業法区分について2条2項の「旅館・ホテル営業」のみに限定されているため、例えば2条3項に該当する「簡易宿所営業施設」は該当しません。
そのためカプセルホテルやシェアホテル、民泊などは営業許可証の内容をあらかじめ確認するのがおすすめです。
確認対象の書類
旅館業許可証(旅館・ホテル営業許可書)
協議会への加入
初めて宿泊分野の特定技能外国人を受け入れる場合には、当該特定技能外国人の入国後4か月以内に、国土交通省が設置する宿泊分野に係る特定技能外国人の受入れに関する協議会に加入する必要があります。
加入後は協議会のほか、国土交通省が行う調査又は指導に対し必要な協力を行うなどしなければなりません。
加入しなかった場合新たな受け入れやビザの更新ができなくなってしまう可能性があるため、忘れずに加入しましょう。
宿泊技能人材ポータル
派遣労働者の受入、労働者派遣はどちらも禁止されている(上陸許可基準)
特定技能「宿泊」分野では派遣労働者の受け入れは禁止されています。
そのため、受入及び派遣どちらも行うことはできません。
まとめ
特定技能「宿泊」分野について説明しました。
旅館業許可区分や協議会加入など独自のルールもありますので、自社が該当するのかしっかりと確認した上で雇入れの検討を行って頂きたいと思います。
ラクセントでは旅館業許可取得の相談も受け付けております。
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どんなことでもまずはお気軽にご相談ください。
参考資料
観光庁 宿泊分野における外国人材受入れ(在留資格「特定技能」)
特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 宿泊分野の基準について平成31年3月 法務省・国土交通省
https://www.moj.go.jp/isa/content/930004542.pdf
宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001614076.pdf