Which case do you?
あなたはどのケースに該当しますか?
「フィリピン人と結婚をしたい」「結婚後は日本で生活したい」。
そのような方に配偶者ビザ取得までの手続きにフォーカスし、ケースごとに解説していきたいと思います。
日本ではなくフィリピンで暮らしたいんだ!という方は本記事には該当しません…。あしからず。
下記3つのシーンを想定してみました。
①フィリピンに在住の人と結婚して日本で暮らしたい
②フィリピンに住む結婚している配偶者を日本に呼びたい
③日本に別の在留資格(留学・就労等)で滞在するフィリピン人と結婚したい
①フィリピンに在住の人と結婚して日本で暮らしたい
フィリピンへの旅行や滞在中や日本への旅行中に知り合った、お見合いやインターネットなどを通じて知り合ったなど経緯は様々かと思いますが、日本人がフィリピンに住むフィリピン人と知り合って婚約に発展したケースになります。ご相談が最も多いケースです。
双方の国での婚姻手続きから届出、日本での配偶者ビザ(日本人の配偶者等)及び査証取得、来日までと道のりは長くなるので、しっかり計画を立てて準備していく必要があります。
→配偶者ビザについては「在留資格認定証明書交付申請手続き」を進めていくことになります。
②フィリピンに住む(結婚している)配偶者を日本に呼びたい
すでに両国で正式に婚姻しているが、日本での配偶者ビザ取得ができておらず一緒に日本で生活するためにビザ取得を目指したい方のケースになります。
この場合、日本在住の配偶者が呼び寄せる招へい人となります。
→「在留資格認定証明書交付申請手続き」を進めていくこととなります。
③日本に別の在留資格(留学・就労等)で滞在するフィリピン人と結婚したい
すでに別の在留資格で日本に活動している方は現在の資格から配偶者ビザに変更になります。
就労系のビザと違い身分系のビザの場合は、就労制限がほぼなくなります。学校に通ったりすることも可能です。
→「在留資格変更許可申請」の手続きを行なっていきます。
配偶者ビザの基礎知識を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。(配偶者ビザのメリットも)
配偶者ビザ 国際結婚を考える上で今知っておきたいビザのこと
①③のケース 婚姻手続きはどちらの国で行うのがベスト?
日本orフィリピン
日本で行うケース
メリット
いわゆる日本式で結婚手続きを行う場合、日本側での婚姻届手続き自体は難しくありません。またフィリピンでの挙式費用なども不要なのでコストは少なくなります。
日本人側がリードしてあげられるのであれば、こちらをおすすめします。(あくまで手続きの視点ですが)
デメリット
最近はフィリピンに行かず、挙式や披露宴も行わないという方が増えていると聞きます。
フィリピン人配偶者としては、自分の親族や知人に現地で祝ってもらいたい気持ちがある場合は日本だけで済ませてしまうことに抵抗があるかもしれません。
日本式で結婚した場合でも、フィリピン人配偶者の両親や親族に直接会って結婚の報告を行うのが良いと思います。
その時の写真が配偶者ビザの申請で有利に扱われることでしょう。
大まかな流れ
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- 結婚時期や訪日のための計画を立てる
- 短期滞在ビザ取得のための書類を集める(日本・フィリピン双方)
- 日本側の書類が準備できたら、フィリピン配偶者に送付
- フィリピン側の書類も揃ったらまとめて代理申請機関エージェントに提出
- エージェントから領事館に申請後、1週間程度で短期滞在ビザ査証取得
- 日本での婚姻手続きに向け書類を収集
- 短期滞在ビザがおりて3か月以内に日本に入国
- 日本で在日フィリピン大使館(大阪)に婚姻届提出
- 日本の市町村役場で婚姻届提出
- 在日フィリピン大使館に婚姻報告
- 入管に配偶者ビザの申請
- 配者ビザの許可
- 帰国後配偶者ビザにて再度入国手続きor短期滞在ビザからの変更(原則帰国)
- 日本に来日し、日本人の配偶者として新たな生活をスタート
事前準備
このケースでは①婚姻手続きのためフィリピン人配偶者が来日するための手続き(短期滞在ビザ)、②日本での在日フィリピン大使館での婚姻手続き、③日本での婚姻届、④日本での配偶者ビザの手続きを行う必要があります。
可能な限り90日の短期滞在ビザを取得し、余裕をもって臨みたいところです。
短期滞在中に配偶者ビザに変更できないか?という相談がありますが、短期滞在ビザは帰国することが前提の一時的なビザです。そのため、人道的理由などにより特別の事情がない限り変更はできないとなっています。
短期滞在ビザ申請での必要書類
申請人が用意する書類
① パスポート(要署名)
② 査証申請書※(4.5×3.5cm の顔写真貼付)
申請用写真
申請前6か月以内に撮影された縦4.5cm×横3.5cmのものを提出してください。
※使用済みの日本国査証が旅券上にある場合、以下の③と④は不要
③ 出生証明書(PSA で1年以内に発行されたもの)
【併せて提出する書類】
・印刷不鮮明等で記載事項が読み取れない→市町村役場発行の出生証明書
・遅延登録→洗礼証明書及び小学校又は高校の学校成績表(フィリピン教育省:指定様式 137)
・PSA に出生記録がない→市町村役場発行の出生証明書と PSA 発行の出生記録不存在証明書
④ 婚姻証明書(既婚者のみ。PSA で1年以内に発行されたもの)
【併せて提出する書類】
・印刷不鮮明等で記載事項が読み取れない→市町村役場発行の出生証明書
*申請人が費用を一部又は全部負担する場合
⑤ 預金残高証明書
⑥ 納税証明書(フィリピン内国歳入局:指定様式 2316。写し可)
日本人が用意する物(作成・発行から3月以内のもの)
⑦ 招へい理由書(申請人との関係を詳細に記載。別紙使用も可)
※ 招へい理由によっては、診断書、母子手帳のコピー、在職証明書などを添付してください。
その場合 個人番号カード(マイナンバー・カード)や医療保険証の写しは提出しないでください。何らかの理由でこれらの写しを提出する必要がある場合は、当該番号部分を必ず判読できないようにしっかりと黒塗りしてください。
⑧ 滞在予定表
⑨ 住民票(知人及び身元保証人のもの)
※ 世帯全員分、かつ、記載事項の省略のないもの(ただし、個人番号と住民票コードの記載のないもの)
【併せて提出する書類】
・ 知人又は身元保証人が外国籍→在留カード又は特別永住者証明書の写し(両面)
⑩ 知人関係(又は三親等を越える親族関係)を証明する資料
・知人の場合→写真、E メール写し、送金(送品)控、パスポート写し等
・三親等を越える親族の場合→出生証明書、婚姻証明書、戸籍謄本等
日本在住の身元保証人が費用を一部又は全部負担する場合
⑪ 身元保証書
⑫ 以下の書類のいずれか1点(複数提出も可。源泉徴収票は不可)
所得証明書、総所得額の記載のある納税証明書、確定申告書控、預金残高証明書
※ 直近年の総所得の記載のあるもの
※ 発行から3か月以内の原本に限ります。(確定申告書控えを除く)
※ 源泉徴収票、給与支払い証明、銀行通帳のコピー、ATMの控えなどは受付不可。
日本の市町村役場での婚姻届出で必要なもの
①届出する日本人の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)
②婚姻する外国人は婚姻要件具備証明書、パスポート、出生証明書、国籍証明書など
③婚姻要件具備証明書及びパスポート等の訳文
④申請者の運転免許証などの身分証明書
駐日フィリピン大使館での手続きで必要な書類は下記より最新のものをご確認ください。
・婚姻要件具備証明書の取得
・婚姻届
フィリピンで行うケース
メリット
フィリピン人側にとっては、日本に旅立つ前に自国で結婚式をあげることで、親族や知人に紹介できるメリットは大きいでしょう。
写真や挙式・披露宴の資料などは配偶者ビザ取得の際にも役立ちます。
また、フィリピン側で取得する書類も現地で取得することができるので、フィリピン人配偶者に自信がない場合は夫婦で行くことで安心です。
デメリット
渡航費用や現地での滞在費用などのコストがかかります。挙式ツアーを組んでくれる旅行会社もありますが、割高になりがちです。
円高の影響もあり、日本人側の親族を連れていく場合費用の支出についても考える必要があります。
大まかな流れ
- フィリピンに行き日本領事館・大使館で婚姻要件具備証明書(いわゆる独身証明書)を発行してもらう
- フィリピン人配偶者の住所地役場で婚姻許可証(Marriage License)を取得する
- 挙式を挙げる。
- 市区町村役場にて婚姻証明書の謄本(Certified True Copy of Marriage Certificate)を入手
- 婚姻成立後3ヶ月以内に日本の市区町村役場または日本国大使館/総領事館に婚姻の届出を行なう
- 日本人配偶者が日本に戻り配偶者ビザの申請を行なうorフィリピンで査証申請を行なう
- 日本で配偶者ビザ許可が出た場合は在留資格認定証明書をフィリピン人配偶者に送付して査証手続きを行う。
- 日本に来日し、日本人の配偶者として新たな生活をスタート
なお日本人の場合はビザなし(無査証)で30日までフィリピンに滞在可能です。在日フィリピン大使館HP
挙式についてフィリピンでは、婚姻を挙行できる権限のある者(婚姻挙行担当官:牧師、裁判官など)が法律で定められており、この婚姻挙行担当官と成人2名以上の証人の前で婚姻の宣誓を行い、婚姻当事者と証人が婚姻証明書に署名し、これを婚姻挙行担当官が認証することにより婚姻が成立します。
事前に準備するもの
- 日本人側でフィリピンに行く前に事前に準備しておくものを確認しておきましょう。
- パスポート
- 戸籍謄本(抄本)1通 (発行後3ヶ月以内のもの)
- 離婚歴があり、現在の戸籍謄本に記録がない場合は記載のある改製原戸籍又は除籍謄本 1通 (発行後6ヶ月以内のもの)
フィリピンの日本大使館にて日本側の婚姻届けを行う場合下記を別途準備
- 戸籍謄本(抄本) 2通(原本1通、写し1通で可)
- 婚姻したフィリピンの方の出生証明書及び日本語訳文 各2通(原本1通、写し1通で可)※フィリピンで用意でも可
- 婚姻証明書及び日本語訳文 各2通(原本1通、写し1通で可)※こちらは挙式後フィリピンで用意
結論どっちがベスト?
フィリピン人配偶者が別の在留資格で日本で活動中の場合や仕事などで日本人の配偶者に時間的な余裕がない場合
→日本で行うのが良いかもしれません。
フィリピンで挙式や披露宴を行う予定、フィリピン人配偶者に負担をかけたくない場合
→フィリピンで行うのが良いかもしれません。
どちらの国で手続きするかはご夫婦の自由なので断言はできません。
ただ手続きの流れを事前に知っておくことで、配偶者ビザ取得までの計画を立てやすくなると思います。
本記事を参考にお二人で話合いの上じっくり検討いただけると幸いです。