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特定技能外国人雇用で解決!飲食料品製造業の人手不足問題
目次
特定技能外国人雇用で飲食料品製造業が抱える課題を解決!
近年日本の飲食料品製造業は深刻な人手不足に直面しています。少子高齢化による労働人口の減少に加え、3Kのイメージや長時間労働といった課題もあり、若い世代の担い手不足が深刻化しています。さらに、高齢化によるベテラン従業員の退職も増加しており、技術継承や品質維持も懸念されています。
特定技能制度の導入「新しい外国人材確保の選択肢」
こうした状況を打開するために、2019年に導入されたのが「特定技能制度」です。特定技能制度は、人手不足が深刻な特定の産業分野において、一定の技能を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。飲食料品製造業も対象分野に含まれており、人材確保の新たな選択肢として注目されています。
特定技能制度で飲食料品製造業が得られるメリット
安定した労働力の確保 長期的な雇用による事業安定化
特定技能制度では、1号と2号があり2号にキャリアアップすることで外国人材を長期的に雇用することが可能になります。これにより、人材の流出を防ぎ、安定した労働力を確保することができます。
多様な人材の獲得 新しいスキルと活力の注入
特定技能制度では、東南アジア諸国を中心に、様々な国籍の外国人材を受け入れることができます。多様な文化やスキルを持つ人材を雇用することで、企業内に新しい活力とイノベーションをもたらすことが期待できます。
生産性の向上 効率化とコスト削減
外国人材の積極的な活用は、人手不足による業務の遅延や残業時間の削減につながります。また、新しいスキルやアイデアの導入によって、作業効率の向上やコスト削減も期待できます。
特定技能1号と2号の違い:就労期間や資格要件
特定技能には、1号と2号の2種類があります。1号からはじまり在留期間の上限は5年間です。その後、2号の要件を満たせばキャリアアップを行うことが可能で上限期間は設けられていないので長期的な戦力となるでしょう。また特定技能外国人の配偶者や子供などの家族を呼び寄せることも可能となるので、モチベーションアップにも繋がります。
- 特定技能1号:5年間の在留期間。日本語能力試験N4レベル以上、及び技能試験合格が必要。
- 特定技能2号:在留期間の上限はなし。日本語能力試験は不要。2号技能測定試験への合格が必要。
※試験の受験資格として、試験の前日までに飲食料品製造業分野において複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程管理する者としての実務経験(以下「管理等実務経験」という。)を2年以上有することが必要。
外国人が従事可能な業務内容
飲食料品製造業分野の1号特定技能外国人を受け入れる事業者は、当該外国人を飲⾷料品の製造・加⼯、安全衛⽣等、酒類を除く飲⾷料品製造業全般の業務に従事させることが可能です。
具体的には原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の⼀連の⽣産⾏為であり、単なる梱包作業のみなどは該当しませんので注意が必要です。技能試験等で確認された飲食料品製造に関する技能を要する業務に従事させる必要があります。
また上記の業務に従事する日本人が通常行うであろう関連業務に付随的に従事することも可能となっています。
(例)
- 原料の調達、受⼊れ
- 製品の納品
- 清掃
- 事務所管理の作業
ちなみに2号特定技能外国人の場合は、複数の従業員を指導しながら上記業務を行います。
飲食料品製造分野で働くために必要な技能水準とは?
試験ルート
日本での技能実習の経験がない方はこちらのルートが該当します。
試験ルートの場合は「飲食料品製造分野特定技能1号技能測定試験」にて技能水準を「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」にて日本語能力水準を確認します。
両方の試験に合格する必要があります。
海外での試験開催国
2023年度の飲食料品製造分野の1号評価試験の開催国はインドネシア、フィリピンになっています。ワクチン接種が必要になる場合もありますので、詳細はOTAFFのWEBサイトを確認ください。
2号特定技能外国人の場合
2号特定技能外国人については 「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」に合格する必要がありますが、前提として衛生管理、安全衛生管理、品質管理、納期管理、コスト管理、従業員管理、原材料管理等の飲食料品製造業全般に関する管理業務を2年以上行う必要があります。
技能実習生卒業ルート
対象職種の技能実習2号を良好に修了した外国人は、上記試験ルートの試験が免除されます。
特定技能の飲食料品製造業分野は、技能実習2号対象外の飲食料品製造業の業種も多く、分野の対象範囲内のすべての業種に就労可能です。
つまり技能実習で別れていた職種の範囲が拡大し一つの業務区分に統一されます!
それ以外の職種・作業で2号を修了した実習生の方は、日本語水準試験のみが免除されます。
申請時の確認書類
特定技能1号の場合
試験合格者の場合
- 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験の合格証明書の写し
日本語能力を証するものとして次のいずれか
- 国際交流基金日本語基礎テストの合格証明書の写し
- 日本語能力試験(N4以上)の合格証明書の写し
技能実習2号修了者の場合
■対象職種・作業の技能実習2号修了者の場合
技能実習2号修了時の技能検定等に合格している場合に次のいずれか
- 缶詰巻締技能評価試験(専門級)の実技試験の合格証明書の写し
- 食鳥処理加工業技能評価試験(専門級)の実技試験の合格証明書の写し
- 水産加工食品製造業技能評価試験(専門級)の実技試験の合格証明書の写し
- 水産練り製品製造の技能検定(3級)の実技試験の合格証明書の写し
- 牛豚食肉処理加工業技能評価試験(専門級)の実技試験の合格証明書の写し
- ハム・ソーセージ・ベーコン製造の技能検定(3級)の実技試験の合格証明書の
- 写し
- パン製造の技能検定(3級)の実技試験の合格証明書の写し
- 惣菜製造業技能評価試験(専門級)の実技試験の合格証明書の写し
- 農産物漬物製造業技能実習評価試験(専門級)の実技試験の合格証明書の写し
技能実習2号修了時の技能検定等に合格していない場合
- 技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号)
特定技能2号の場合
- 飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験の合格証明書の写し
- 日本語能力試験(N3以上)の合格証明書の写し
雇用企業側の基準とは?(特定技能雇用契約の適正な履行の確保に係る基準)
対象産業分類
飲食料品製造業特定技能外国人を受け入れる企業は、⽇本標準産業分類で主たる業務として以下の分類を⾏っている事業所を対象範囲として決めています。
- 中分類09 ⾷料品製造業
- ⼩分類101 清涼飲料製造業
- ⼩分類103 茶・コーヒー製造業(清涼飲料製造業を除く)
- ⼩分類104 製氷業
- 細分類5861 菓⼦⼩売業(製造⼩売)
- 細分類5863 パン⼩売業(製造⼩売)
- 細分類5897 ⾖腐・かまぼこ等加⼯⾷品⼩売業(*製造⼩売に限る)
尚、下記の分類は含まれませんのでご注意ください。
飲食料品製造業分野には、酒類製造業、塩製造業、医薬品製造業、 香料製造業、飲食料品卸売業、飲食料品小売業(上記の⑤、⑥及び⑦を除く)、 ペットフード等の飼料製造業などは含まれません。
産業分類の決め方については、「事業所内で単一の分類項目に該当する経済活動が行われている場合は、その経済活動によって決定しますが、複数の分類項目に該当する経済活動が行われている場合は、主要な経済活動によって決定します。この場合の主要な経済活動とは、生産される製品の直近の売上高によって決定し、産業はこれらの中で最も大きな割合を占める活動によって決定します。」とあり複数の事業を行っている場合はメインの事業がどの分野に該当するかによって産業分類が判断されます。
事例として、専用工場や施設で食料品製造を行ういわゆるセントラルキッチンやプロセスセンターなどは対象になるものの、スーパーのバックヤードでの調理等は主要な事業とはいえないため対象外となります。
ただしバックヤードを別会社にしたり、総菜専門店など売り上げの過半がバックヤードで製造加工した飲食料品である場合は対象となる場合があります。(下記参考)
協議会への加入
初めて飲食料品製造分野の特定技能外国人を受け入れる場合には、当該特定技能外国人の在留申請の前(注)に、農林水産省が設置する飲食料品製造分野に係る特定技能外国人の受入れに関する協議会に加入する必要があります。(※注 2025年6月15日以降の在留申請で必要 2025年2月15日改正)
加入後は協議会のほか、農林水産省が行う調査又は指導に対し必要な協力を行うなどしなければなりません。
キャリアアッププランの作成
また、飲食料品製造分野で特定技能外国人を採用する際にはキャリアアッププランを作成し、雇用契約を締結する前に書面やメール等で本人に提供して説明する必要があります。
キャリアアッププランの内容の例
想定されるキャリアルート、各レベルの業務内容及び習熟の目安となる年数、レベルアップするときに必要な経験・実績、資格・検定などをあらかじめ決めておきます。
またキャリアアップさせる際は、辞令や職務命令書等をもって例示した役職 を命じ業務に従事させる必要があります。今後のためにも書面を交付するなど証拠を残しておくのが良いでしょう。
派遣労働者の受入、労働者派遣はどちらも禁止されている
飲食料品製造業分野では派遣労働者の受け入れは禁止されています。
そのため、受入及び派遣どちらも行うことはできません。
まとめ
特定技能「飲食料品製造業」分野について説明しました。
特定技能外国人の職種や企業側の対象分野の確認、協議会加入など独自のルールもありますので、しっかりと確認した上で雇入れの検討を行って頂きたいと思います。
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参考資料・詳細
農林水産省 飲食料品製造業分野における外国人材の受入れ拡大について
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/tokuteiginou.html