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日本国内で外国人を雇用・支援するなかで、外国人スタッフから「パスポートを新しく更新した」と報告を受けるケースは少なくありません。
「企業や支援機関側で何か手続きをする必要があるのか?」「放置すると不法就労などのリスクはあるのか?」と疑問に思う実務担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、パスポート更新時に発生する「証印転記(しょういんてんき)」手続きの概要、実務上のリスク、具体的な申請手順について、法人の実務担当者向けに分かりやすく解説します。
まずは、外国人が日本滞在中にパスポートを更新した場合、既存のビザ(在留資格)がどのような扱いになるのか、管理上のリスクと合わせて整理します。
パスポートが更新されて有効期限が切れたとしても、そこにスタンプ(証印)されている日本のビザ(在留資格・在留期間)の効力は失われません。在留期間が残っている限り、そのビザは引き続き有効です。 法的には、新旧2冊のパスポートを同時に携帯していれば、基本的には問題ないとされています。
証印転記(しょういんてんき)とは、旧パスポートに押されている有効なスタンプ(上陸許可、在留資格、資格外活動許可など)を、新パスポートへ実質的に写してもらう入管手続きのことです。 この手続きを行うことで、新パスポート1冊だけで有効なビザ(在留資格)を証明できるようになります。
なお、これは「在留資格更新許可申請(ビザの期限を延ばす手続き)」や「在留資格変更許可申請(異なるビザへ変える手続き)」とは完全に異なる手続きです。
法的な期限や罰則はありませんが、証印転記を行わずに新旧2冊のパスポートをバラバラに管理していると、企業や組合の管理実務において以下のリスクが生じます。
実務担当者として押さえておくべき、証印転記の基本的なルールは以下の通りです。
証印転記の手続きは、外国人の住居地を管轄する「地方出入国在留管理局」またはその支局・出張所の窓口で行います。 ※現時点では、インターネットを利用したオンライン申請には対応していないため、窓口へ直接赴く必要があります。
法律上の明確な申請期限はありません。本人の都合の良いタイミング、あるいは企業・組合が定期的に行う在留管理のタイミングで手続きを推奨します。次回の在留期間更新や変更手続きの際に、入管の窓口で同時に対応してもらえる場合もあります。
旧パスポートに受けている、日本における有効なスタンプ(証印)全般が対象です。
※注意:日本以外の国(母国や他国)が発給したビザのスタンプは、日本の入管に権限がないため転記できません。
実際に手続きを進める際の実務マニュアルです。
手続きは比較的シンプルで、以下の3点を用意します。
入管へ支払う行政手数料は「無料」です。印紙代などは発生しません。 ※ただし、入管へ赴く交通費や、行政書士などの専門家へ手続きを依頼(申請取次)する場合の報酬は別途必要となります。
窓口の混雑状況にもよりますが、書類に不備がなければ、通常は申請当日にその場で転記が完了し、パスポートが返却されます。
A. 「申請取次者」の資格を持つ弁護士や行政書士、または一定の要件を満たした受入企業の職員・監理団体の職員であれば、本人の代わりに申請が可能です。 ただし、単なる友人や資格のない知人が代理出頭することは認められません。本人に行かせるか、登録支援機関や行政書士などの専門家に依頼するのが確実です。
A. 同居の親族であれば代理申請が可能ですが、委任状や家族関係を証明する書類(住民票や本国の家族関係証明書など)の提示を求められる場合があります。
A. 証印転記は「パスポートのスタンプを写すだけ」の手続きであり、在留期限そのものが延びるわけではありません。 在留期限を延ばすには、別途「在留期間更新許可申請」を期限内に行う必要があります。
2026年現在、技能実習制度から「育成就労制度」への移行期を迎えており、受入企業、監理団体(組合)、登録支援機関には、これまで以上に厳格なコンプライアンス(法令遵守)と適切な在留管理体制の構築が求められています。
パスポート更新に伴う「証印転記」のような一見小さな手続きであっても、管理漏れや新旧パスポートの確認不足が重なると、将来的な受入資格や監査時の指摘リスクに繋がりかねません。「期限がないから」と放置せず、所属機関主導で確実な手続き・アップデートを行う体制を整えておくことを強く推奨します。
外国人がパスポートを更新した際は、管理リスクを未然に防ぐためにも、新旧パスポートの整合性を図る「証印転記」を速やかに行うことが実務上重要です。
「社内の外国人雇用の管理体制(コンプライアンス)に不安がある」「法改正に対応した適切な支援ができているかチェックしたい」という受入企業様・組合様・登録支援機関様は、ぜひ一度専門家へご相談ください。
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