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2026年、深刻な人手不足に悩むリネンサプライ業界にとって非常に大きなニュースが飛び込んできました。これまで認められていなかった在留資格「特定技能」に、いよいよ「リネンサプライ分野」が正式に追加されました 。
ホテルや病院などの清潔なインフラを支えるリネンサプライ業において、即戦力となる外国人材を最長5年間雇用できるこの制度は、まさに人手不足解消の切り札と言えます。しかし、新設されたばかりの分野だからこそ「うちの工場でも雇えるの?」「他の特定技能と何が違うの?」と疑問や不安を抱えている経営者・人事担当者様も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ビザ申請の専門家である行政書士が、最新の運用要領をベースにリネンサプライ分野の要件や特有のルール、複雑な手続きを分かりやすく噛み砕いて徹底解説します!
まずは、リネンサプライ分野が特定技能に追加された背景と、外国人スタッフが実際に担当できる業務の範囲について解説します 。
ホテルリネンやメディカルリネン(病院用寝具)の需要が回復・拡大する一方で、日本の製造・サービス現場における人手不足は深刻化しています 。生産性の向上や国内人材の確保に努めてもなお、即戦力となる人材の確保が極めて困難であることから、一定の専門技能を持つ外国人を即戦力として受け入れる仕組みが構築されました 。
特定技能「リネンサプライ分野」で受け入れた外国人は、工場内における以下の「リネン類の入荷から出荷までの一連の業務」に主として従事する必要があります。
【注意】付随的な業務の範囲について
これらのメイン業務に従事する日本人が通常行う「使用資材の運搬作業」や「工場内の日常清掃」などに付随的に従事することは認められます。ただし、毎日清掃ばかりをさせるなど、専ら関連業務にのみ従事させることは入管法違反となりますので絶対に避けてください。
リネンサプライ分野は、既存の「ビルクリーニング」や「工業製品製造業」などの他分野と似ているようで、全く異なる独自のルールが存在します。ここを誤解するとビザが不許可になるため注意が必要です。
企業の担当者様からよくある勘違いとして「うちは普通の街のクリーニング屋だけど、特定技能が雇えるの?」というものがあります。結論から言うと、一般のクリーニング業(衣服等の一般クリーニング)は対象外です。
特定技能の対象となるのは、あくまで「リネンサプライ」の契約に基づき、宿泊施設や病院、福祉施設等に布製品を貸与・回収して洗濯・納品するリネンサプライ業(洗濯施設・設備基準の認定工場)のみです。この境界線は非常に厳格に審査されます。
農業や漁業など、一部の特定技能分野では「労働者派遣」での受け入れが認められていますが、リネンサプライ分野における労働者派遣は完全に禁止(直接雇用のみ)されています。自社で直接雇用契約を結ぶ必要があります。
もう一つの大きな特徴は、リネンサプライ分野には「特定技能2号(家族帯同可・在留期間の上限なし)」の区分がなく、特定技能1号(通算5年が上限)までしかありません。そのため、企業が「10年、20年と長期で雇い続けたい」と考える場合、雇い方に一工夫が必要になります(後述する「育成就労」の活用がポイントです)。
| 項目 | リネンサプライ分野 | 他分野(例:農業・製造業など) |
|---|---|---|
| 雇用形態 | 直接雇用のみ(派遣不可) | 分野によっては派遣も可 |
| 在留資格のステップ | 特定技能1号のみ(最長5年) | 特定技能2号への移行も可能 |
| 対象となる事業所 | 衛生基準の「認定施設」限定 | 一般的な工場や農場など |
特定技能外国人を受け入れるためには、企業側(受入れ機関)と外国人側の双方が国の定める厳しい基準をクリアしなければなりません。
リネンサプライ分野の最大の特徴とも言えるのが、外国人を働かせる工場(施設)単位で、以下のいずれかの衛生基準適合認定を受けていることが必須要件となっている点です。
※複数の工場をお持ちの企業様の場合、「認定を受けている工場(施設)」でのみ外国人を就労させることができます 。認定のない工場へ異動させることはできませんのでご注意ください。また、認定の有効期限が切れると受け入れ要件を満たさなくなりますので、継続的な更新が不可欠です 。
原則として、以下の試験に合格した外国人が特定技能1号の資格を取得できます。
【朗報】技能実習2号を良好修了した外国人は「試験免除」!
「クリーニング職種:リネンサプライ仕上げ作業」の技能実習2号を良好に修了している外国人の場合、上記の技能試験・日本語試験が全面的に免除され、即座に特定技能1号へ移行・呼び寄せが可能です!また、他職種の修了者であっても日本語試験のみが免除となる優遇措置があります。
受け入れ企業には、厚生労働省が設置する「リネンサプライ分野特定技能協議会」への加入が義務付けられています。
リネンサプライ分野で特定技能外国人を受け入れる場合、「外国人に係る在留諸申請(入管へのビザ申請)の前に、協議会への加入手続きを完了させておくこと」が必須要件となっています。
入管へビザの申請書を提出する段階で、協議会の構成員であることを証明する書類(加入証明書など)を添付しなければなりません。採用が決まってから協議会の加入手続きに動くと、書類の発行やビザ申請までにタイムラグが生じ、外国人の入国・稼働開始のタイミングが後ろ倒しになってしまう原因になります。そのため、人材の採用が決まったら、まずは何よりも先に協議会への加入手続きをスタートさせることが重要です。
リネンサプライ分野の特定技能は「1号(最長5年)」までしかなく、2号がありません。そのため、企業がより長く、かつコストを抑えて外国人材を雇用したい場合、戦略的なキャリアパスの設計が必要になります。
もし将来的に5年、8年と長く工場を支えてくれるコア人材に育てたいのであれば、最初から特定技能で採用するのではなく、まずは新しい「育成就労制度」で入国してもらい、3年間の実務を経てから「特定技能1号(5年間)」へ移行させるルート(通算8年雇用)を強くおすすめします。
リネンサプライ分野では、育成就労と特定技能1号を通貫した「育成・キャリア形成プログラム」が策定されており、計画的なステップアップが可能です。
初めて特定技能外国人を雇用する場合、法律で定められた10項目の「義務的支援」を自社で行うのは体制的に難しく、多くの企業が外部の「登録支援機関」に毎月数万円のサポート費用(委託料)を支払っています。
しかし、入管法上、「過去2年間に中長期在留者の受入れ又は管理を適正に行った実績」がある企業は、外部への委託をせず自社だけで支援(自社支援)を行うことが可能になります。
つまり、最初の2年間を適切に運用すれば、それ以降は登録支援機関への外部委託料が「完全ゼロ」になり、毎月のランニングコストを大幅に削減できるようになります。これが長期雇用を前提とした現場が最終的に目指すべき、最も強い形です。
特定技能制度は人手不足解消に強力ですが、いざ進めようとすると以下の「壁」にぶつかる企業様が非常に多いのが実情です。
これらの煩雑な法的義務を、日々の工場運営や労務管理と並行して人事担当者様だけで完璧にこなすのは、想像以上に大きな負担となります。
リネンサプライ分野における特定技能の解禁は、業界の人手不足を打破する絶好のチャンスです。しかし、他の分野と異なり「派遣の禁止」、「工場の衛生基準適合認定」、「ビザ申請前の協議会加入」など、非常にタイトで専門的な要件が並びます。
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