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【2026年最新】物流倉庫で「特定技能」外国人を受け入れる完全ガイド|WMS要件・使える補助金・任せられる業務まで徹底解説

物流業界の人手不足が深刻化する中、制度の対象分野として新たに「物流倉庫分野」が追加され、外国人受け入れに向けた準備が本格化しています。

しかし、特定技能で外国人を受け入れるためには、他分野にはない「倉庫管理システム(WMS)の運用」や「協議会への加入・報告義務」といった物流倉庫固有の厳格な受入要件を満たす必要があります。

本記事では、物流倉庫で特定技能外国人を雇用したい事業者様に向けて、会社の受け入れ要件、使える補助金、任せられる仕事の範囲、どんな外国人を採用すべきかを分かりやすく解説します。

物流倉庫で特定技能外国人を受け入れるための「会社の要件」

物流倉庫分野で特定技能外国人を受け入れるためには、自社(特定技能所属機関)が以下の要件をすべて満たしている必要があります。

① 事業者の区分(いずれかに該当すること)


倉庫業者(倉庫業法第7条第1項の登録事業者)

倉庫業者の委託を受けて倉庫作業を行う事業者(下請け)

※委託元(元請け)の倉庫業者と共同で「協定書」を作成する必要があります。この協定書には、「万が一、業務委託契約が解消された場合でも、委託元の倉庫業者が外国人の転職支援(義務的支援)を補助する」旨を明記することが求められます。

一般・特定貨物自動車運送事業者

※単に有償で倉庫作業を引き受けているだけでなく、「自社のトラックや、自社で手配した庸車(利用運送)が、反復継続的にその倉庫へ出入りしている実態」が行政審査で確認されます。

② 雇用形態は「直接雇用」のみ(派遣は絶対NG)

特定技能外国人を労働者派遣で受け入れることは認められていません。自社での「直接雇用」が必須条件となります。

③ 国土交通省の「協議会」への加入・協力義務


外国人を受け入れる前に、国土交通省が設置する「物流倉庫分野の特定技能外国人の受入れに関する協議会」へ加入しなければなりません。加入後は調査への協力や、万が一の転職支援などの協力義務が発生します。

④ デジタル・IT設備要件と「1年以内の報告義務」【重要】


現場の生産性および労働安全衛生向上の観点から、法告示に基づき以下のシステム導入および報告義務が明確に課されています。


WMS(倉庫管理システム)の利活用
入庫管理、在庫管理、および出庫管理の機能を有する情報システム(WMS)を実際に稼働させて利活用していること。

連携機器・システムの継続利活用
WMSと連携することで機能が拡充される機器や情報システム(例:ハンディターミナル、自動仕分機、搬送ロボットAGV/AMR、安全衛生管理システムなど)を継続して利活用していること。

協議会への報告義務(期限:加入から1年以内)
上記の連携機器やシステムの利活用状況について、協議会に加入した日から起算して1年以内に、協議会が定める方法で協議会へ報告しなければなりません。

設備導入に「使える補助金」はある?


WMSの導入やハンディターミナルの配備には一定のコストがかかります。これらを整備するにあたって活用できる国の主な補助金・助成金制度は以下の通りです。

補助金・助成金


デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)
WMS(倉庫管理システム)ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)など
導入設定やマニュアル作成費も対象。登録ITツールから選んで申請します。


中小企業省力化投資補助金
WMSと連携するハンディターミナル、自動仕分機、AGV/AMR(自動搬送ロボット)など
WMSとデータ連携する「現場ハードウェア機器」の導入に最適です。


業務改善助成金
WMS導入や現場機器の整備+事業場内最低賃金の引き上げ
賃上げとセットで設備投資を行う場合に高い補助率(最大9/10)が適用されます。

注意点: 補助金は原則として「交付決定」を受けた後に契約・発注する必要があります。また、特定技能の申請時には「すでにWMSが稼働していること」が求められるため、導入スケジュールには余裕を持ちましょう。 ※各補助金・助成金の名称や対象要件、補助率、公募スケジュールは変更される場合があるため、申請時は必ず最新の公募要領をご確認ください。

外国人に「まかせられる仕事」と「禁止事項」

特定技能外国人が従事できる業務は、運用要領で厳格に定められています。

任せられるメイン業務(主たる業務)

倉庫内における各種作業全般(貨物の入庫、保管、出庫、荷役、流通加工など)

付随的に任せられるサブ業務(関連業務)

日本人が通常行う業務に付随するものであれば、以下の業務に携わることも認められています。


事務所への連絡・報告
作業場所の整理整頓・清掃
台風接近等に伴う貨物移動や雨水侵入防止措置
安全衛生会議や職場懇談会への参加

※ただし、これらの関連業務だけに専念させることは認められません。

絶対にNGな業務(禁止事項)


包装されていない食品に直接触れる業務(生鮮食品の無包装での取り扱いなど)
「運賃」に含まれる積込み・積み下ろしなどの荷役作業

【重要】トラック運送事業者が注意すべき「運賃」と「作業料金」の違い
一言でいうと、「トラックの運賃と一緒にセット(無料サービス・おまけ扱い)でやっている積み下ろしなどの作業は、法令上の『倉庫作業』とは認められない」ということです。


行政手続き上、正しく「特定技能外国人を従事させられる倉庫作業」として認めてもらうには、「運賃」とは別に「作業料金(荷役料・作業料など)」を独立して明確に請求・受領していることが必須条件となります。


NGなケース(倉庫作業と認められない)

「運送代金 5万円」の中に積み下ろしや倉庫内移動作業が含まれており、請求書にも「運賃」の項目しかない場合(単なる運送に伴う付帯荷役とみなされます)。

OKなケース(倉庫作業と認められる)

「運送代金 5万円」とは別に、「荷役・倉庫作業料 1万円」のように契約書や請求書で明確に分けて対価を受け取っている場合。

どんな外国人を雇えばいいか?(採用ターゲット)


特定技能外国人を採用する際は、以下の要件を満たした人材を選定する必要があります。

① 必要なスキルと資格

技能水準:「物流倉庫分野特定技能1号評価試験」に合格していること
日本語能力:JLPT(日本語能力試験)N4以上、または JFT-Basic A2.2相当以上

② おすすめの採用ターゲットと注意点

・現在アルバイト等で雇っている「留学生」

自社でアルバイトとして稼働中の留学生を正社員として雇用するルートです。
採用の条件:在学中または卒業までに「物流倉庫分野特定技能1号評価試験」および「日本語試験(N4以上など)」に合格できれば採用可能です。

※大卒(または大学院・専門学校卒)の留学生を採用する際の注意点: 大学等を卒業する留学生の場合、一般的には専門職向けビザである「技術・人文知識・国際業務(技人国)」を取得できる可能性があります。 本来、就労ビザとしては「技人国」の方が優れています(在留期間更新の制限がなく、将来的な永住申請への道が開けるため)。 しかし、「技人国」ビザで物流倉庫の現場作業(ピッキング・荷役・仕分け等)に従事することは入管法上認められていません。倉庫の現場作業に従事させる場合は、大卒であっても「特定技能」を取得する必要があります。

※物流倉庫の特定技能には現時点で「2号」がなく最長5年で帰国となる可能性があるため、本人のキャリア・ライフプラン(現場で特定技能として働くか、オフィス・管理部門等で技人国として働くか)をしっかり話し合って選択することが不可欠です。

・他職種の「技能実習2号」を修了した人材(即戦力・日本語試験免除)

従来の技能実習制度には物流倉庫の職種はありませんでしたが、製造業や農業など「他職種」で技能実習2号を修了した人材であっても、特定技能1号の「日本語試験」が免除になります。日本での生活慣れ・作業慣れをしており、物流倉庫の技能試験(評価試験)に合格すれば、即戦力としてスムーズに採用可能です。

・「育成就労」からのステップアップ人材(自社育成ルート)

新制度の「育成就労制度」では、物流倉庫分野が対象分野として新設されました。自社で未経験の外国人を一から教育・育成し、3年後に特定技能1号へ移行させるという、中長期的な自社人材確保のメインルートとなります。

※「特定技能2号」について 現時点で、物流倉庫分野では「特定技能2号」の受け入れ枠は設定されていません(2号は対象外)。そのため、最長5年間の「1号」として受け入れることになります。長期雇用を見据える場合は、育成就労から特定技能1号へ至る自社のキャリアパスや将来的な役割をしっかりと提示してあげることが定着率向上の鍵となります。

まとめ:WMSの整備・1年以内の報告・協議会手続きが成功の鍵

物流倉庫分野での特定技能受け入れは、人手不足解消の強力な一手となりますが、「WMS+連携機器の利活用と1年以内の報告」「協議会への加入」「直接雇用(派遣不可)」といった厳格な要件を漏れなくクリアすることが求められます。

また、留学生等の採用にあたってはビザの選択や本人とのライフプランのすり合わせも重要となります。

まずは自社のWMS導入・稼働状況を確認し、必要に応じて補助金を活用しながら環境整備を進めていきましょう。

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Luxent 安藤 光晴

記事を書いた人

行政書士 安藤 光晴 Mitsuharu Ando

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