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就労ビザとは?職種による該当性と手続きについて知っておこう
目次
この記事は「日本で働きたい外国の方もしくは雇用したい企業様」向けです
- 留学生を正社員として雇用するためにビザを変更したい
- 外国人を雇用するために日本に呼びたい
- 外国勤務の社員を日本の支店・本店に転勤させるためビザを取得させたい
- 外国の料理人を日本に呼びたい・料理人として日本で就職したい
- 通訳・翻訳者として日本で働きたい(日本に呼びたい)
特定技能についてはこちらのページで解説しています。
日本で働くためのビザ「特定技能ビザ」が人気?技能実習ビザとの違いは?
コロナウイルス感染症で鎖国状態だった日本も、今後の未来を見据えて外国人の方の受け入れをはじめました。
外国人の方が「日本の技術を学びたい、治安の良い日本で働きたい、観光業やホテルにて語学力を生かして外国人の接客をしたい」と考えたときに自分にあった就労ビザは本当にこれであっているのだろうか?日本で申請書類をどう集めたら良いのか?といった疑問がたくさん出てくると思います。
そのような外国人の方及び外国人雇用企業の担当者に、今後の道しるべとして、かんたんに読める概要編を書いてみました。
就労ビザの種類
まず、外国人の方が日本において就労活動を行うための在留資格についてどのような種類があるのかを説明したいと思います。
入管法上の就労資格の種類は19種類あります。
入管法別表欄という箇所に一覧表があり、「第一の 一の表・二の表」が就労資格です。
下記に在留資格名と該当する職種の例、在留期間を一覧表にまとめたのでざっと目を通していただきたい。
就労資格一覧表
在留資格 | 該当例 | 在留期間 |
外交 | 外国政府の大使,公使,総領事,代表団構成員等及びその家族 | 外交活動の期間 |
公用 | 外国政府の大使館・領事館の職員,国際機関等から公の用務で派遣される者等及びその家族 | 5年、3年、1年、3ヶ月、30日又は15日 |
教授 | 大学教授等 | 5年,3年,1年又は3ヶ月 |
芸術 | 作曲家,画家,著述家等 | |
宗教 | 外国の宗教団体から派遣される宣教師等 | |
報道 | 外国の報道機関の記者,カメラマン | |
高度専門職1号 | 研究活動、人文科学分野や技術を要する業務、貿易や経営に従事する者で、高度人材として法務省令で定める基準に適合する者 | 5年 |
高度専門職2号 | 高度専門職1号として3年以上業務に従事した者 | 無期限 |
経営・管理 | 日本で起業する者(代表者)、既存事業に参画して経営を行う者、管理に従事する者。 | 5年、3年、1年、6ヶ月、4ヶ月、3ヶ月 |
法律・会計業務 | 外国法事務弁護士、外国公認会計士。 | 5年、3年、1年、3ヶ月 |
医療 | 医師、歯科医師、看護師。 | |
研究 | 政府関係機関・企業における研究者。 | |
教育 | 小学校・中学校・高等学校・専門学校等の語学教師。
(一般企業での語学学校の先生は人文知識・国際業務) |
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技術・人文知識・国際業務 | ・理学・工学・自然科学等の分野に従事する業務。
ex) 機械工学等の技術者、ITプログラマ、ソフトウェア開発者 ・法律学・経済学・社会学等の人文学科分野に従事する業務。 ex) 翻訳・通訳、貿易等海外取引業務 ・外国文化と関連の深い業務。 ex) 服飾等のデザイナーや商品開発者、私企業の語学講師等。 |
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企業内転勤 | 外国に事業所がある法人・機関で働く職員が、日本国内の営業所や日本国内の子会社への転勤のうち、「技術・人文知識・国際業務」に該当する活動に従事するもの。 | |
介護 | 介護福祉士 | |
興行 | 演奏者、演劇者、俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手など。 | 3年、1年、6ヶ月、3ヶ月、15日 |
技能 | 外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工職人等 | 5年、3年、1年、3ヶ月 |
特定技能1号 | 法務大臣が指定する日本の機関(会社等)との契約で特定産業分野の業務に従事する外国人。 | 1年、6ヶ月、4ヶ月 |
特定技能2号 | 3年、1年、6ヶ月 | |
技能実習1号 | いわゆる技能実習生。技能実習計画に基づき講習を受け、技能にかかる業務に従事する活動。 | 法務大臣が個々に指定する期間(1年を超えない) |
技能実習2号・3号 | 法務大臣が個々に指定する期間(2年を超えない) |
※居住資格「永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者」(就労の制限なし)や週28時間以内であれば資格外活動でも就労は可能です。
在留資格はどれに該当するのか?
まずは上記の就労資格一覧表の該当例より自分の職種がどれに該当するか(近いか)を確認していきましょう。
あくまで事例なので、ぴったり該当する職種がない場合もあると思いますが、自分が就く業種と近いものを選び、自身がない場合は入管に確認します。
注意点としては飲食店の店員など、単純にそれだけでは就労資格に該当しないものもあります。(資格外活動でのアルバイトでは可能)
その場合は外国人客が多く来店する飲食店で予約対応を行うなどといった感じであれば認めてもらえる可能性がでてきます。
就職では受入企業の協力が必須
該当する在留資格が分かったら、次は申請のための準備をしていきます。
上記在留資格のうち、日本の会社や機関に就職する場合は、法定調書や雇用契約書等受入機関側で準備が必要な書類が必要になります。
外国人雇用に不慣れな会社では、在留資格取得のための手続きを詳細に把握していない場合もあるため、事前にしっかりと確認しておくのが良いでしょう。
もっとも受入機関(会社等)が外国人本人の取次者となって申請することも可能であるため、その場合は受入機関側の書類はお任せできるでしょう。
後ほどの「就労ビザ許可要件」で説明しますが、就労ビザは一人ひとり個別に審査されるもの。
受入機関の担当者が取次申請する場合は、同一の職種であっても、個々の事情は異なります。
同じように申請すれば就労ビザが許可されるとは限らない点にご注意いただきたい。
日本で起業する場合
経営・管理ビザでは日本で起業もしくは経営を行う活動になります。
日本での法人設立や雇用、許認可取得から事業内容にあった事務所の賃貸借まで多岐に及びますが、一つ一つ乗り越えていく必要があります。
日本人でも起業するのは大変ですが、外国人起業家としては最初の壁といえるでしょう。
就労ビザの許可要件
要件説明の前にご注意点ですが、就労ビザの申請で問題になるのが雇用契約の内容と実際の仕事内容が明らかに異なるようなケースです。
実際は就労資格の内容ではなく単純労働を行っていることなどが報告されています。
ぜひ採用する企業側には特に制限のない日本人との違いを理解して雇用していただきたいです。
もちろん外国人の申請者本人も事実と違うなと感じる場合には理解できるまで確認するなど慎重になりましょう。
在留資格の取り消しで帰国せざるを得なくなってしまっては負担が増えるだけでなく、将来的に双方でデメリットが発生することにもなりかねません。
申請人の在留資格有無で異なる手続き
手続きに申請人の外国人本人が現在①海外に移住する場合②別の在留資格で日本に滞在する外国人の場合で異なります。
①海外に在住する外国人の場合
外国から日本に入国する際に必要な在留資格認定証明書の交付申請を行います。
在留資格認定証明書は在留資格該当性と上陸許可基準適合性等に適合すると認められるときに交付されます。
②別の在留資格で日本に滞在する外国人の場合
就労ビザへの在留資格変更許可申請を行います。
入管法では法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可することができるとされ、法務大臣の自由な裁量で判断されます。
実際には①の基準に該当すること+現在の在留資格での滞在で問題がないか等の確認になります。
(例)
- 現在の在留資格に応じた活動を行っているか
- 独立した生活ができるだけの資産があるか
- 滞在中の行動に問題がないかなど
判断の基準としてはガイドラインに記載があります。
上陸許可基準適合の要否について
上陸許可基準とは各在留資格ごとに定められた審査基準のことで、それぞれの活動内容に応じて該当する必要があります。
ここでは具体例として「技術・人文知識・国際業務」のケースで説明していきます。
主に就職する会社の業務に応じて2パターンに分かれます。
①「自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事する場合に必要な技術又は知識を習得」については下記のいづれかに該当すること。
- 職種に関する技術または知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、またはこれと同等以上の教育を受けたこと
- 職種に関する技術または知識に関連する科目を専攻して日本の専修学校の専門課程を修了したこと(「専門士」もしくは「高度専門士」の称号を付与された者に限る)
- 10 年以上の実務経験(大学等で関連科目を専攻した期間を含む)があること
②「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合」には下記全てに該当すること。
- 翻訳、通訳,語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
- 従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること。
- 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
上記1.2については大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合はこの限りでないとなっています。
つまり、業務経験がなくてもよい場合があります。
上記は一例ですが、各活動ごとに基準が定められているので確認していくことになります。
申請に必要な書類
次に上陸許可基準に適合していることを証明するための証拠を揃えていきます。
こちらも提出書類が基準省令にて決まっているため、それぞれ指定された書類を揃えていきます。
すべて解説すると膨大な量になるため、ここでは申請に必要な資料の中で分かりづらいものをピックアップして解説します。
カテゴリーとは何か?
ここで出てくる、カテゴリーとは会社や機関などの団体がどの程度の規模なのか、規模ごとに4つに分けられたものです。
カテゴリー1 | 次のいずれかに該当する機関
(1)日本の証券取引所に上場している企業 (2)保険業を営む相互会社 (3)日本又は外国の国・地方公共団体 (4)独立行政法人 (5)特殊法人・認可法人 (6)日本の国・地方公共団体認可の公益法人 (7)法人税法別表第1に掲げる公共法人 (8)高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業) (9)一定の条件を満たす企業等 |
カテゴリー2 | 次のいずれかに該当する機関
(1)前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人 (2)在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関(カテゴリー1及び4の機関を除く。) |
カテゴリー3 | 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く) |
カテゴリー4 | いずれにも該当しない団体・個人 |
カテゴリーは例えば、申請する会社(団体)や個人が規模に見合った採用人数であるかなどの審査で利用されます。
- カテゴリー1は上場企業や国・自治体などの機関等大規模な団体
- カテゴリー2は給与所得の源泉徴収税額が1000万円以上の団体・個人、在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けた機関
- カテゴリー3は給与所得の源泉徴収等の法定調書合計表が提出された団体・個人
- カテゴリー4は1〜3いずれにも該当しない団体や個人です。
カテゴリー1は大企業や役所で、中小企業や個人は2~4となります。
特に3~4は多くの団体が該当するのではないでしょうか。
ポイント
源泉徴収とは源泉徴収対象者を雇用した場合に、企業や個人が支払う給与などから所得税等を差し引いて本人に代わって国に納付することです。
勤務先が源泉徴収した税金を税務署に納付するため、給与を受ける者は自分で確定申告を行う必要がありません。
企業や個人は源泉徴収した金額を国に翌年1月までに報告する必要があり、その際に提出する書類が源泉徴収票になります。
専門学校は専門課程を卒業しただけではNGの場合も
専門学校を卒業した方の注意点ですが、「専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書」が必要となる場合があります。
参考例
- 漫画・アニメーション科でCG,プログラミング等を学び、ゲーム開発業務に従事する場合。
- 建築室内設計科を卒業した者が、建築積算業務に従事する場合。
- 美容科を卒業した者が化粧品会社において美容製品に係る商品開発、マーケティング業務に従事する場合。
「専門士」の称号が付与される専門学校の要件
- 修業年限が2年以上
- 総授業時数が1,700 単位時間( 62 単位)以上
- 試験等により成績評価を行い,その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること
「高度専門士」の称号が付与される専門学校の要件
- 修業年限が4年以上
- 総授業時数が3,400 単位時間(124 単位)以上
- 体系的に教育課程が編成されていること
- 試験等により成績評価を行い,その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること
「文部科学省HPより引用」
申請者によって申請書の様式が異なる
申請書の様式には申請人等作成用と所属機関等作成用があるので間違えないように作成しましょう。 申請書類の左上に記載があります。
提出書類の具体的な内容は出入国管理庁のHPを参考ください。
本サイトでも順次説明についての記事をアップデートしていく予定です。
明記されていないが提出したほうが良い書類もある
具体的に明記されていないが、場合によっては提出を求められたり、提出した方が良い書類があります。
(例)
- 要件に勤務経験がある場合
- 勤務先の会社の実態がわかる日本の登記情報にあたるような資料や会社の写真、パンフレット等
- 勤務する外国人の勤務スケジュール
- 会社の従業員名簿 等
【雇用主側】外国人を雇用する場合に必要な対応と注意点
外国人を雇用する上での日本人を雇用する場合と違う点や注意点も確認しておきたいところです。
雇用保険の届出では外国人本人の在留カード等の情報を転記する部分があります。
下記厚生労働省HPに外国人雇用に関する詳細な資料があるので、ぜひ一読ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000603552.pdf
ビザ取得にかかる費用
許可された際は4,000円を収入印紙で納付します。
収入印紙とは切手のような形の印紙で、郵便局や法務局で取り扱っている。
Q&A
将来的に永住権への在留資格変更は可能?
はい可能性はあります。
引き続き10年以上日本に在留しており、そのうち5年以上就労資格又は居住資格を持って在留していることが必要となります。
時間はかかりますが、在留期間中の生活から将来も在留に問題ないと判断されれば将来的に永住への変更も可能です。
外国で暮らす妻・夫や子供も日本に呼べる?
はい呼べる可能性はあります。
家族滞在という在留資格を取得することで外交、公用の在留資格の場合を除いて、扶養する配偶者・子供を呼び寄せ日本で一緒に暮らすことができます。
当事務所に相談するメリット
- 起業経験のある行政書士に直接日本での起業について相談できる
- 当事務所と連携の取れる提携先士業のご紹介が可能。
- 雇用関係については社労士、確定申告や法人顧問などは税理士のご紹介が可能でワンストップ。
- またテナント探しについては、親身に物件を探してくれる不動産業者をご紹介可能です。
まとめ
少子高齢化により今後さらに働き手不足となる日本。
日本に魅力を感じてもらい、来日して仕事をしたいと思う外国人の方の受け入れることはとても日本社会にとって重要なことです。
私どもとしては優秀な外国人の入国手続をサポートすることを通じ、地域が元気になることを願っております。
当事務所でのサポートについては下記よりお気軽に相談ください。